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年金用語解説 PENSION GLOSSARY

最近の年金ニュース

  • 2007年2月に発覚した約5000万件の年金記録漏れのうち、2983万件の記録解明が終了した。同時に、紙台帳(約7億2000万件)とオンラインデータの全件照合により、約137万人の年金額が増加する見込みとなっている(いずれも13年9月時点)。未解明のままの2112万件は今後、本人からの申し出を待って対応する。
  • 12年1月、《AIJ投資顧問》が厚生年金基金等から受託運用していた年金資産の大半(約2000億円)を消失させていたことが判明した。資産運用の一部をAIJに任せていた厚生年金基金は11年3月末時点で84基金もあった。
  • 民主・自民・公明の3党合意に基づき、12年8月、社会保障と税の一体改革関連8法案が成立した。年金関連では基礎年金国庫負担2分の1の恒久化、共済年金の厚生年金への統合(15年10月実施)、などが決定された。
  • 12年10月から3年間の時限付きで、過去10年以内に納め忘れた国民年金保険料の後納が認められている。
  • 12年11月、2.5%の年金減額法案と月最大5000円を低所得高齢者に支給する年金生活者支援給付金法案が成立した。
  • 13年6月、厚生年金基金制度の見直し(本則廃止)に関する法案が成立し、14年4月以降、基金の新設は認めない一方、5年間の時限付きで代行割れ基金の早期解散と、健全基金の代行返上等を促すことになった。
  • 14年6月、年金の財政検証結果が公表された。その中で、04年改正の意図に反して、厚生年金のモデル年金水準(対平均月収比)が04年の59.3%から14年にかけて64.1%へ上昇したこと、制度改正を視野に入れたオプション試算の結果等、が示された。
2015年の注目語

年金の財政検証

年金制度は5年ごとに最新の人口と経済の動向を勘案して、向う100年間の年金財政について収支バランスが保たれているかを検証する。この検証作業を財政検証と呼ぶ。直近の財政検証は2014年6月に行われた。前回と違って基本ケースは想定せず、8ケースの経済前提を設定したこと、制度改正オプションの試算結果を示したこと、に特徴がある。今回の検証結果によると、経済再生で実質経済成長率が高くなり、女性や高齢者の労働力市場への参加が一段と進む限り、給付と負担のあり方を検討する必要は生じない。他方、実質経済成長率がマイナスになり、女性や高齢者の労働力率が上昇しない場合、厚生年金におけるモデル年金の水準は早晩50%(法定済みの下限)割れとなる。ただし仮に将来、モデル年金水準50%を維持することができるとしても、年金水準は現行と比べて約20%ほど実質的に低下し、とりわけ基礎年金水準の低下幅は30%超となる。1人あたり基礎年金月額は30年後には4万5000円(社会保険料天引き後の手取りは3万円台)になっているおそれがある(2014年度の賃金価格表示)。年金財政の健全性は、このように給付水準の大幅な引き下げという犠牲なしには達成されない。ただ、年金の受給開始年齢を65歳超に引き上げれば、給付削減は小幅にとどめることができる。

オプション試算

今回の財政検証では、(1)物価下落時にもマクロ経済スライドをフルに実施する、(2)厚生年金の適用範囲を最大で、月5万8000円以上の賃金稼得者すべてに拡大する(1200万人増)、(3)老齢基礎年金の算定基礎となる保険料納付期間(現行は20歳から60歳までの40年間)を65歳までの45年間に延長するとともに65歳以上の在職老齢年金を廃止する、の3つについても試算している。いずれのオプションでもモデル年金の水準上昇が確認された。とくに(2)と(3)における水準上昇は顕著であり、(3)の場合、45年拠出でモデル年金水準は約6ポイントアップとなる。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)

日本における公的年金の積立金(2014年3月末で129兆円弱)を運用する機関。その運用委員会は、国内債券中心の運用を見直し、国内株式比率(従来の目安は12%)を25%に引き上げると2014年10月末に発表した。上下の変動幅も6%から9%に拡大する。

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